今回の日本の会計人は、「3つのS」を主軸にして企業のバックアップを行っている、東京都江戸川区で活躍中の税理士、椎名伸一先生にお話をお伺いいたしました。財務、帳簿の大切さを理解し、自ら株主や銀行に帳簿を公開し、どのような経営を目指すのか、そのためにはいくらの売上を目標とするのか。こうしたビジョンを具体的な数字で語れって欲しいという椎名先生に経営者への「想い」を語っていただきました。
はい、3つのSとは「Simple」「Speed」「Scientific」ということです。
シンプルに早く、そして正確な数字。この3つのSが経営を安定させます。
会社の経営には、重要な判断や決断が必要な時があります。その時の最後の決断をこうありたいという「想い」からする人が成功するのではないかと思います。成功しない人というのは、逆にこの「想い」のない人ですね。頭でばかり考え、結局なにも決断できない人。こういう頭でっかちで行動しない人というのは、社会での競争に敗れ淘汰されてしまうのではないでしょうか。
1冊といわれると迷いますが、「人に長たる者の人間学」伊與田覺(いよたさとる)ですね。またある本で読んだ、松下幸之助さんの「物をつくる前に人をつくれ」という言葉が好きです。
一生懸命に自分の仕事を極めること。気が付いたら、世間から認められる企業になっていた。というのが理想ですね。シャープペンの先についているゴムの部品を作るためだけに3億円のクリーンルームを作った会社があります。1個何銭の世界で、必死に頑張ってます。利益だけを追求する会社には絶対真似できません。
サラリーマン時代とは、全く違うことを認識してください。誰も助けてはくれません。もっと勉強してください。そして他人の話をじっくりと聞くことが重要ですね。
「一灯を掲げて暗夜を行く暗夜を憂うことなかれただ一灯を頼め」です。あまり有名ではありませんが、佐藤一斉の言葉です。私は、この一言がとても気に入っています。
帳簿を拝見すると、数字だけでなく社員との関係、得意先との関係等々あらゆることが見えてきます。帳簿の質を上げていくことが、数字だけでなく、あらゆる人たちとの関係を改善することにつながります。
情報の一元管理を徹底し、帳簿を開けばあらゆる情報が取り出せるよう工夫することです。簿記の知識に疎いと、表計算や、他の手段で情報を管理しようとします。結果、情報がお金の動きと連動しなくなり、経営判断を誤らせることとなります。こういったひとつひとつの事を経営者の方々に知っていただきたいと思っています。
頑張っている経営者を見てるとギブアンドギブで応援したくなります。日本の中小企業はすごいです。そして頑張っている会社には必ず「一肌脱ごう」と利益を度外視して応援してくれる人たちが集まります。また頑張っている人たちのお話を聞けるだけで私自身も元気になれます。
日本の中小企業はとても元気です。税理士としてではなく、良きアドバイザーを求めています。質の高いサービスを提供しましょう。そして税理士事務所で一番重要なことは「人を育てる」ということです。
今までは中途半端な企業でも何とかなりましたが、これからは本物でないと生き残るのはとても難しい時代になってきたと感じてます。逆に大変、面白い時代になったと感じてます。
●事務所
椎名伸一会計事務所
●所長
椎名伸一
●所属
東京税理士会 江戸川北支部
●所在地
東京都江戸川区西小岩3-15-12
●電話
03-3672-1222
●URL