税理士法人新日本　横浜事務所　武藤紀夫氏

税理士法人新日本、横浜事務所のある神奈川県横浜市緑区は横浜市の北部に位置する文教地区として知られており、東京工業大学や東洋英和女学院大学などがあります。また緑区には古くからの遺跡も多く、縄文時代の遺跡である鴨居原遺跡や北門（ぼっかど）古墳群などもあります。税理士法人新日本、横浜事務所の所長、武藤紀夫氏は会計や税務だけで無く金融にも強いと評判の税理士・公認会計士です。

経営者として成功する人というのはどんな人でしょうか？

情熱と冷静さをバランスよく合わせもった人だと思います。もちろん、このバランスは一定のものではなく、企業の成長の過程で、どちらかの比重が大きくなったり、小さくなったりしますが、成功している方はいずれにしろ、どちらかに偏りすぎている人はいないように感じています。このようなバランスのよい経営者の方は総じて、他人の意見に耳を傾け学ぶことに対して貪欲な方が多いように思います。

経営者が読んでおきたい本を１冊推薦してくださいますか？

私がおすすめするは「「座右版 言志四録」佐藤一斎(講談社)」ですね。佐藤一斎という方は江戸時代後期の儒学者です。言志四録（げんししろく）は彼が40年余りにわたって書きためた語録で。指導者のための指針の書とされ、西郷隆盛の愛読書としても有名です。また近年では、小泉純一郎氏が「言志四録」について衆議院の「教育関連法案」審議中に発言しました。『言志晩録』※で一番有名なのは第60条の「少くして学べば、則ち壮にして為すことあり。壮にして学べば、則ち老いて衰えず。老いて学べば、則ち死して朽ちず。」という語録です。内容は多面にわたり、厚い本ですが、心に響くような言葉がたくさんあります。一度手にとって読まれることをおすすめします。きっと、今の自分にとってピンとくる何かがあると思います。
※編集部注：「言志四録」は『言志録』、『言志後録』、『言志晩録』、『言志耋（てつ）録』の4書の総称。

経営者へのメッセージをお聞かせいただけますか？

日本の経済状況は長い低迷を続けていますが、このような環境で、大変なご苦労をされていると思います。そして心から敬意を表したいと思います。ただ、あまりひとりで抱え込まないで欲しいと思います。特にお金つまり銀行融資にお悩みの方は、顧問の税理士に相談することをおすすめいたします。きっと親身になって相談に乗っていただけるのではないかと思います。もし、そうでない先生なら、迷わず私にご相談ください（笑い）。ちょっと、宣伝になってしまいますが、税理士法人新日本は、銀行員時代の融資が2千社という徳永貴則氏が顧問であり、銀行融資については、強みをもっています。また私自身も僭越ですが、金融関連の本として『もしや!「恐慌」に備えて「今」やっておくべきこと』という本も出版いたしました。金融に強いというのが私のうりですので、資金調達等の悩みについてもご相談いただければと思います。

起業を目指す方に対してどのようなことを期待されていますか？

私の学生時代は起業するなんてことは思いもしなかったですから、起業を目指す方の勇気には敬服します。起業する時の志を忘れずに、頑張って頂きたいと思います。事業を興すだけなら、簡単ですが、継続的に成長させていくことは大変なことです。起業を目指される方は、起業した高揚感に酔うことなく、また、不安感に押しつぶされることなく、自分の事業計画を冷静に見つめ、信念をもって、突き進んでほしいと思います。

二代目経営者へ一言

世間では二代目経営者に対してネガティブに語られることが多いように思います。しかし、私は、カリスマ的な資質を持つ先代の事業を継承するより、むしろ、ゼロスタート、自分で起業した方がどんなに楽だろうと思います。ましてや、今の経済環境の中で、事業を維持し、成長させていくことに、大変なご苦労をされている２代目経営者の方も多いのではないでしょうか。しかし、これは、ある意味、２代目経営者が背負わなければならない運命のようなものだと思います。普通のサラリーマンが社長になり、会社のかじ取りをすることは確率的には非常に低いわけで、それが、できるというのは、御苦労も多いがやりがいもあるのではないかと思います。２代目経営者は勉強家が多いように感じますので、是非、先代の良いところを継承しつつ、自分のやり方で、さらなる発展を目指して頂きたいと思います。

事務所経営で心がけていることは？

臨場感を大切にしたいと心がけています。つまり、お客様のことを他人事のように考えるのではなく、まさに、自分が直面していることなんだという意識で仕事することを心がけていいます。出来上がった数値を分析して、経営者にご報告するのは大切なことですが、それで仕事が完了したなどとは、思わずに、経営者の皆様の直面している状況を自分に起こっていることのように親身に考え、あたかも自分も経営に参画しているような緊張感をもって、経営者の良きパートナーとして活動していくことを心がけております。