千葉県山武市の高橋会計事務所は、30年以上にわたり企業の経営指導を行っておられる事務所です。今回、取材させていただいた副所長の高橋俊行先生は、斬新なアイデアと新しい経営手法を常に研究している税理士として会計事務所業界でも一目置かれた存在です。また、一般社団法人日本経営コーチ協会より経営コーチ認定事務所の認定を受けています。同協会は、会計事務所職員専門教育機関であり、税務・会計以外に、リーダーシップ・マインド、コーチング・スキル、マネジメント・ナリッジを有するプロフェッショナル「経営コーチ」を会計事務所内に育成していこうという組織です。
社長を先頭に社員一丸となってみんなでがんばっているのに結局赤字になり、みんながますます不幸せになっていく。そういった会社がたくさんあります。それに違和感を感じませんか?決して経営のやり方が悪いのではなく、もっと何か根本的なところを改善しなければならないとずっと感じていました。最近、私の友人の一人である公認会計士の天野敦之さんが「君を幸せにする会社」という本を出しました。その中で天野さんは「利益は創造した本源的価値の対価である」と語っています。まさに「我が意を得たり」という思いです。
本源的価値とは、お客様を幸せにし世の中をより良くするものです。企業の利益は、お客様の幸せの対価ということです。企業がお客様の幸せを創造し、お客様がその対価を支払えば、世の中全体の幸福量が増加し、企業も利益を得られます。さらに企業は利益を得られるだけでなく、社員もお客様からの感謝によって幸せを感じることができます。企業経営において最も大切なのは、ビジネスをさせていただいているという感謝の感覚ではないでしょうか。
そうです。そして、それはお客様への感謝だけではありません。社員にも感謝することが必要です。人には長所もあれば短所もあります。しかしそれは絶対的なものではありません。欠点は見方を変えれば長所に変わります。すべてに感謝することで、その人の良い面が見えてきます。そうすることによって「お客様を幸せにして社員自身も幸せになってほしい」と心から願える社長になれると思います。
そうですね。他者と比較するのではなく、昨日の自分に勝つように努力し続ける事が必要です。むしろ他者に勝つよりも自分に勝つ事の方が難しいと思います。
本源的な価値が理解できて、自分自身に勝つ努力をする。こういった基本的なことができていないと、いくらビジネススクールの経営管理手法とかマーケティング理論を知っていたとしても、まったく無駄になってしまいます。ただ、こうした本源的価値はやはり優秀な指導者から教えてもらわないとなかなか難しいと思います。
最近は、サラリーマンで一生をすごすという感覚がなく、何かチャンスがあれば、社会で活躍してみたい、起業したいと考えている若い人たちが大変多くなっています。こういった起業マインドを持った若者たちに対して、リーダーシップのあり方やマネジメントの知識と、それを的確に伝えるコーチングのスキルを持った会計人が、税務だけでなく経営面でも経営者のサポートをすることが必要だと思います。これが「経営コーチ」という考え方です。
はい。会社設立に必要なものは何か、役所にはどう手続きをしたら良いのかといった類の本はたくさん出版されています。しかし実際にはそう簡単にはいきません。起業家のいちばんの悩みは、常識とのキャップです。確かに会社を設立することは手続きさえすれば誰でも出来ます。しかし会社を経営する、社長になるということは、今までサラリーマンだった人たちの常識とはだいぶかけ離れています。サラリーマンなら会社が倒産しても、また転職するという方法もあります。
ですが、会社を設立して社長になった場合は、そんなに簡単にはいきません。最悪の場合、自己破産もありえます。
はい、その通りです。起業するにもコーチが必要です。スポーツにたとえてみますと、素晴らしい選手、たとえば世界記録保持者、オリンピックで金メダルをとった選手にもコーチがいます。良い選手になればなるほど、それを伸ばしてくれる優秀なコーチが必要だということです。そういう時代なのです。どんなに優秀な経営者でも、どんなに経験経験豊富な経営者であっても、自分の味方になってアドバイスしてくれる人を求めています。経営者の気持ちを支え、的確なアドバイスを提供できる人が経営者を支援します。経営コーチこそが、経営者と感情の絆を保ち、その気持ちを支えることで前向きなやる気を維持し、同時にその人に合った指導を行うことで企業を成功へと導くのです。
●事務所
高橋税務会計事務所/株式会社高橋会計事務所
●所長
高橋敏雄(所長)、高橋俊行(副所長)
●所属
千葉県税理士会 東金支部
●所在地
千葉県山武市成東2282番地
●電話
0475-82-5151
●URL