税理士法人IKJのある群馬県高崎市は、日本一のだるまの生産量を誇る市。高崎市の少林山(鼻高町)では、毎年1月6日から7日に夜どうしでだるま市が行われ、国道18号線沿いには、だるまを製造・販売する店が多く立ち並ぶ。高崎市は江戸時代以来の城下町であったとともに、中山道の宿場町でもあった。そのため昔から交通の要衝で、中山道と三国街道の分岐点、関越自動車道と北関東自動車道の分岐点、上越新幹線と長野新幹線の分岐点として全国有数の交通拠点の都市として発展してきました。今回、取材した税理士法人IKJは、群馬県で二番目に古い税理士事務所。地元密着型の会計事務所として長年に渡り、中小企業の経営を指導してきた名門の会計事務所です。
はい。先代が戦前、まだ税理士という資格が生まれる前から地元のお客様の経理を行ってきました。ちなみに税理士という資格は昭和26年に生まれました。
特に先代はCPAの資格を独学で取得して、監査の仕事を精力的に遂行していました。
私は今63歳(2010年1月現在)ですが、三代目になるため息子が税理士資格を取るために勉強中です。
そうですね。そういう事もあって地元の経営者の方からの信頼は非常に厚い物があります。とはいえ歴史にあぐらをかいていただけなら、親子何代も税理士事務所が続くわけはありません。先代も私も常に新しい事や理論を勉強し、その成果をお客様に還元してきました。それが地元の経営者の方々に評価され続けてきたおかげで、長く継続して事務所を運営できたと言うことでしょうね。
常にお客さんのニーズや時代の流れを先取りして、様々な物にチャレンジしてきました。税理士事務所というとすぐに税金の計算や申告業務を思い浮かべる人が多いと思います。税金の計算や申告は税理士事務所の基幹業務です。しかし、お客様のニーズはそれが全てではありません。経営者の皆様は、過去の数字をまとめるだけではなく、会社のこれからについて経営の相談にのって欲しいと望んでいます。
ええ、その通りです。税理士である以上、税金のプロであるのは、当たり前なんです。ですから、その他に何を提供できるか。どんな事をしてあげられるのか。これが重要だと思っています。
税理士法人IKJでは、「未来会計」をお客様にお勧めしています。未来会計とは、過去の数字をまとめる税務のサービスとは全く別物で、ビジネスのこれからを数値計画と行動目標から創り上げるサービスです。すでに終わってしまった過去をいくらひっくり返しても明日の経営にはつながりません。未来会計というのは、まず会社の現況を整理して、経営をシミュレーションしてみます。そして次に経営計画を策定します。もちろん計画通りに進んでいるかどうか計画の進捗状況も常に管理します。
おかげさまで、当事務所の門をたたかれる方は、ほとんどが口コミやお客様からの紹介です。歴史があり、きちんとした税理士事務所と言うことで金融機関からも絶大な信頼をいただいています。とにかくお客様のために出来ることはなんでもやる。というのが事務所のスタンスです。
うーん企業秘密ですからねぇ。じゃ少しだけ(笑)。ロケット理論という物があります。月に行くためには、まず月に行くんだという意志が必要です。そして月に行くための周到な準備をしてはじめて月に行くことができるんです。偶然に交通事故に逢う事はあっても、偶然に月に行くことはありませんよね。ですから、まず明確な目標を立てる事から始めます。そして次に、月別の計画をアクションプランとともに具体的な行動として立案します。その後は、毎月の損益と資金繰りの状況を確認し、計画通りに進んでいるかを常にチェックします。こうすることにより会社が、利益の出る体質、資金繰りの回る体質に変わっていきます。
イヤ違います。こうした計画は、お客様自身が作らなければなりません。これは重要なことです。事務所は計画を作るためのお手伝いをするのです。会社の事を一番わかっている社長や幹部が一体となって、自ら経営計画を作り上げるという事でないと、仏作ってなんとやら、になってしまいます。私たちも社長や幹部の方と一緒になって、分かりやすくお手伝いいたします。そして楽しく、希望というか未来を描く経営計画を作成していくのです。もうこれ以上は勘弁して(笑)
そうですね、ある二代目の方からは、親からの事業を譲り受けそのまま展開してきたけれど、なかなか事業拡大までは至らなかったそうです。しかし経営計画を立てた事によって、これまでの欠点、長所、将来性、方向性が数字で明確になり、現実的な経営計画を語れるようになった。経営者の本当の仕事が少しわかってきた気がします。と喜ばれました。特に40代の経営者の方が多いですね。
当たり前の話ですが、事業承継は、廃業をしない限り、全ての会社で必ず起こります。まだ先のことだからとか、どうしたらいいかわからないといって、ずっと対策を先送りにしている経営者もいらっしゃいます。事業承継というのは単なる資産の引継ぎではありません。経営ノウハウや経営理念、伝統や信用といった目に見えない要素も含めて円滑に次の世代へ事業を渡すために、事前に対策を立てることが必要なんです。
先ほどの経営計画と同様に計画をきちんと作らなければなりません。私は「事業承継計画書」と言っています。会社という物は、業種や規模が同じでも、一社一社の内部事情は全く異なります。ですから、経営者の方と一緒に事業承継計画書を作成し、会社の何をどのように引き継ぐのかを考えます。
会社経営とは、未来をどう描くかと言うことです。過去でなく未来なんです。まず、経営計画を立案し、予算と実績の管理をきちんと行っていただきたいと思います。将来を見据えた経営上の「先見経営」と「先行管理」、“Plan-Do-See”の経営サイクルをきちんと確立すれば、自然と会社経営は上手くいくと思います。
●事務所
税理士法人IKJ(旧:IKJ 市川会計事務所)
●所長
市川哲名
●所属
関東信越税理士会 高崎支部
●所在地
群馬県高崎市成田町31-28
●電話
027-322-3672
●URL